【こんなに違う】ヨーロッパ男性の育児への参加状況と日本との差

ヨーロッパ男性の育児への参加状況と日本との差
夫に不満をもつママ

正直、夫も育児にもっと関わってほしい。

ヨーロッパの男性は育児にどれだけ関わっているのか、参考までに知りたいな!

こんなお悩みに答えます。

育児に対するパートナーの参加が、家族全体の幸福感や子どもの成長に与える影響は大きいです。
だからこそ、日本の男性が育児に消極的である現状はどうにかしたいですよね。

では、男性が積極的に子育てに参加しているヨーロッパ諸国では、男性はどのように育児に参加しているのでしょうか?

この記事でわかること
  • ヨーロッパの子育て事情
  • ヨーロッパと日本の子育て環境の違い
  • なぜ日本の男性は育児に消極的になってしまったのか? 


私は今ヨーロッパに住んで、地元の人たちと一緒に子育てをしている中で、子育てに対する男性の考え方や周りを取りまく環境が、日本とは丸っきり違うことを痛感しています。

今日はそんな私が感じたことや、具体的なデータをもとに解説していきますね。

パパと息子
目次

ヨーロッパの子育て事情

ヨーロッパに住んで感じること

まず、周りの現地の家族を見ていて、育児が「母親の仕事」という偏見はあまりないようです。

実際、パパたちが一人で子どもを連れて公園やカフェにいる姿は、ごく普通の光景。
たとえ奥さんが専業主婦であっても、仕事の合間にパパが幼稚園や小学校の送迎を担当することも珍しくありません。

周りの現地のパパ・ママと話して感じるのは、多くの家庭で育児は家族全員が協力して行うべきものという認識が強く、父親もその一員として重要な役割を果たしています。

日本人からすると信じられないかもしれませんが、子ども関係の行事出席や学校・習い事のサポートのために、ある程度自由に仕事の調整をすることが可能な文化なのだと思います。

これにより、育児の負担が母親だけに偏ることなく、よりバランスの取れた家庭環境が実現されているようです。

家庭内での役割分担

家庭内の育児においても、父親が母親とほぼ同等の割合で参加することが一般的です。

  • 基本的なお世話 おむつ替えや授乳のサポートを行います。
  • 生活全般のサポート 食事の準備や掃除・洗濯を共同で担当。
  • 子どもとの遊び 公園に連れて行ったり、一緒に遊ぶ時間を大切にします。
  • 学校行事の参加 送り迎えや学校のイベントに積極的に参加。

もちろん中には例外の家庭もありますが、日本のようにワンオペで愚痴っているママはほとんど会ったことがありません。

学校の保護者会や運動会も、パパ・ママが仕事を休んでまで二人揃って出席する比率はとても高いです。

データによると、家事育児の男性の分担割合は、スウェーデンで43.7%(ほぼママと同等)、日本で15.4%と、やはり大きな差が開いていました※。

※参考記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年3月5日

料理する家族

ヨーロッパと日本の子育て支援制度の違い

ヨーロッパの男性が子育てに積極的に参加できるのには、以下のような日本との違いが背景となっています。

育児休業制度

  • 日本:
    • 育児休業は最長で子どもが1歳になるまで(特別な条件下で2歳まで延長可能)。
    • 厚生労働省の調査では、男性の育児休業の取得率は2023年度で30.1%※。
    • 女性の取得率は84.1%で、男女で取得率に大きな差がある。

  • ヨーロッパ:
    • 国によって異なるが、最長で数年間の育児休業が取得可能。
    • スウェーデンでは男性の育休取得率が約90%。
    • 男女共に育児休業を取りやすい制度が整備されている。

※参考記事:厚生労働省 令和 5年度雇用均等基本調査

給付金

  • 日本:
    • 育児休業中の給付金は、最初の180日間は67%、その後は50%(上限あり)。

  • ヨーロッパ:
    • 各国で異なるが、育児休業中の給付金が充実している国が多い。
      スウェーデンでは両親合わせて480日間の育児休暇を取得する権利があり、そのうちの90日間は父親のみに割り当てられている。
      最初の390日は給与の80%が支給される。

男女平等の意識

  • 日本:
    • 男女平等の意識は高まりつつあるが、育児に関する役割分担は依然として伝統的な傾向が強い。

  • ヨーロッパ:
    • 男女平等が社会的に強調されており、育児は夫婦が共同で担うべきものと広く認識され、育児制度にも反映されている。

まとめ

ヨーロッパでは育児に対する男性の参加が一般的であり、制度的にも整備されていますが、日本はまだ課題が残っています。
とはいえ現在、育休期間の給付金を休業前と実質同額まで引き上げる新しい育児制度の案や、第1子から保育料無償にするという話も出てきているようです。

今後の育児制度の改善に期待したいところですね。

パパと娘

なぜ日本の男性は育児に消極的なのか?

では、なぜ日本の男性は育児に消極的なのか、いくつかの原因を考えてみましょう。

  1. 長時間労働の文化
    日本の多くの企業では、長時間労働が当たり前となっており、育児に関与する時間を確保しにくいです。
    海外に出てみると、日本人は本当によく働く人種だと感じます。

  2. 社会的な期待
    日本社会では、男性が家庭内での役割よりも仕事を優先すべきという暗黙の価値観が根強く残っています。

  3. 育児休業の制度的課題
    日本の育児休業制度は整っているものの、実際には取得しにくい環境が多いです。
    職場の風土や同僚の目が気になるため、取得をためらう男性が多いといわれています。

  4. 育児スキルの不足
    男性が育児に参加するためのスキルや知識が不足していることも、積極的になれない一因です。
    これは男性があまり育児に参加しないことで、スキルが身につかず、悪循環になっていると思います。

まとめ

ヨーロッパの育児事情や男性の育児参加状況について見てきましたが、私たちが学べることは多いです。

まず、制度的な支援が育児参加を促進する重要な要素であることがわかります。
また、育児は一人の人間が担うものではなく、家族全体で協力する必要があるという認識も大切です。

日本においても、少しずつですが、育児に対する男性の意識が変わりつつありますよね。

これからの時代、育児は男女が共に担うものであり、家庭内での役割分担を見直すことが求められていくと思います。

「育児は一人ではできない」ということを多くの人が理解し、共に協力し合う社会を目指していきたいものです。

ヨーロッパの事例を参考にしつつ、日本の育児文化も改善されていくよう願っています。

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