海外赴任に家族でついていくことになったけど、子どもの英語力がほぼゼロ……
どうやって準備すればいいの?
こんなお悩みにお答えします。
- 海外赴任における親の心構え
- 海外赴任で必要な子どもの語学力
- 海外赴任前の英会話スクール通いをオススメしない理由
- 事前にできる具体的な語学の準備方法
私自身、2度の海外赴任を経験しました。
1度目は中東のクウェートで上の子二人を英語のインターナショナル幼稚園へ入れました。
2度目はまさに今で、ヨーロッパの非英語圏に住み、以下のように3人バラバラの学校に入れています。
- 上の子(8歳)→ インターナショナルスクール(英語)
- 真ん中(6歳)→ 現地の公立小学校(非英語)
- 下の子(5歳)→ 現地の私立幼稚園(非英語)
子どもの学校の選択は、その子の性格や、これまでの経歴、今後の進路などによっても変わってきます。
しかし、どの学校が良いかの正解はなく、選択肢がたくさんあるからこそ、難しいし、悩むんです……。
そんな中、実際に子どもが現地語を身につけるために必要な準備や、実際の現地での生活を経験したことで、私は語学の習得に関していろいろなことが見えてきました。
だから今日は、私が身をもって体験して得たリアルな情報のみを、ありのままお伝えしていきます!
ちなみにタイトルの通りですが…
私は、よく他のブログでオススメされているような「英会話スクール」に、子どもが海外赴任前に通うことはオススメしません。
理由は、この記事の後半のほうで説明しています。
【初めての海外赴任】子どもの語学習得に関する親の心構え
現地で必要な語学力とは
赴任する国、選ぶ学校によって必要な語学や語学力は異なります。
学校によって必要な語学力は、以下の通りです。
- 現地校
英語圏の場合:
英語が主に使用されるため、授業に参加するにはある程度のリスニングとスピーキング能力が必要。
教科書も英語で書かれているため、基本的な英語力が求められます。
非英語圏の場合:
英語の代わりに現地の言語力が必要になります。
我が家は非英語圏で現地の公立小学校に息子を通わせていますが、入学時に現地語の語学テストを受けました。
そのテストに落ちた子は、週に12時間程度の語学の補習を受けることができます。
公立なので、ありがたいことに全て無償です。
現地校にはその土地の独特の空気感があります。
一般的には、のびのび育てられている子が多いと思います。
現地の子がほとんどなので、外国人の生徒は目立ちやすい傾向があるかもしれません。
- 日本人学校
日本語での授業が中心で、入学時の英語力や、その他現地語の語学力は求められません。
英語の授業があっても、英語の基礎を学ぶ機会にはなりますが、ネイティブスピーカーになるには程遠いレベルだと思います。
日本のカリキュラムで勉強を続けたい、または日本語力を維持したいというケースの主な選択肢です。
英語やその他の現地語が心配な親も、日本語のコミュニケーションで学校生活の情報やサポートが得られるというメリットがあります。
- インターナショナルスクール(英語)
全ての授業が英語で行われるため、特に英語力が必要になります。
入学後は、アメリカ式やイギリス式など、教育方針に応じた英語力を習得していきます。
英語がまったくできないけど入学できたという場合には、なかなか友達ができず最初は孤立感を味わうことも。
親も英語がある程度話せないと、ネイティブばかりの親同士のコミュニティに入りづらかったり、宿題のサポートが難しくなったりします。
両親のどちらかはしっかり英語で対応できる力がないと、保護者会やイベント、はたまた日々の学校からの連絡事項への対応も、乗り越えていくのは試練だと思います。
インターナショナルスクールは英語サポートを受けられる場合も
多くのインターナショナルスクールでは、ELA(English Language Acquisition)またはESL(English as a Second Language)などと呼ばれる、英語が母国語でない子ども向けのプログラムを提供しています。
このプログラムでは、対象の子は週のうち何時間か自分のクラスを抜けて、ELAの部屋に集合します。
そこで簡単な英会話から始まり、徐々に読解力やライティング能力を高めていくことができます。
子どもが英語をしっかり習得したと判断されれば、このプログラムを卒業して、通常のクラス授業のみに参加できるようになる仕組みです。
基礎からしっかり学べるので安心ですが、学校によってこういったプログラムがないこともあるのと、料金が高額なケースもあるので、入学前に確認してくださいね。
英語(またはその他の外国語)習得後の子どものメリットを把握
海外赴任中にしっかり英語習得をできると、以下のようなメリットがあります。
これからの長い人生において、きっと大きな強みとなるでしょう。
子どももこのメリットを理解しておくと、英語をがんばるモチベーションになるかもしれません。
- 国際的なコミュニケーション
- 日本人だけでなく、さまざまな国の人々とコミュニケーションが取れるようになります。
- 帰国子女枠の利用
- 入試の優遇
一部の学校や大学では、一般入試に比べて試験内容が異なったり、簡素化されたりすることがあります。 - 語学力の活用
英語やその他外国語の試験や面接が重視されることが多く、自分の強みをアピールしやすいです。 - 特別なサポート
帰国子女向けの特別プログラムやサポートが用意されている学校もあります。
- 入試の優遇
- 大人になっても語学力を活かせる
- 国際的なビジネス環境での活躍や、留学の際に英語やその多言語力が役立つなど、将来の選択肢がグッと広がります。
我が子の英語力と日本語力の最適なバランスを見極めよう
私は実際の海外子育てにおいて、ネイティブに近い英語力を習得しながら、日本語力も維持することには相当な努力が必要だと痛感しています。
英語力の習得と日本語力の維持をどのようなバランスで進めていくのか、子どもの性格や年齢、帰国後の進路を考え、家族全体で相談しながら見極めていくことが重要です。
たとえば、帰国後に日本の学校に通う予定であれば、日本語力の維持は最低限、考慮する必要があります。
そして幼稚園や小学校低学年のうちに帰るのか、小学校高学年以上で帰るのかなど、帰国のタイミングにも左右されてきます。
とくに小学校3年生からの「漢字」の学習は、海外で続けていくことは至難の業で、周りの家庭を見ても頭を悩ませている親が多いです。
子どもにとって漢字が実生活で全く必要なくなってしまうので、仕方のないことかもしれません……。
インターナショナルスクールに通っている小学3年生の長女は、5年生の春に日本に帰国予定です。
なので学校の長期休みや週末を利用して、漢字プリントに取り組んでいます。
それ以外は、Z会の通信教育のタブレットコースで毎日15分程度やるだけで、あとは英語に軸足をおいています。
海外駐在期間にブレることがないよう、それぞれの子どもに合った学習の方針を家族で相談して、認識合わせをしておくことをオススメします。
海外赴任前の英会話スクールをオススメしない理由
冒頭に書いた通り、私は日本にいるうちに、子どもに英会話スクールに通わせることにはあまり意味がないと思っています。
ネイティブとマンツーマンで英会話できるようなスクールに、長期間、定期的に通えるという場合や、子ども本人にそうしたい気持ちがあってのことなら当然よいのですが。
そうでないケースには英会話スクールはオススメしません。
高いお金と時間を使う意味はほとんどないからです。
詳しい理由は以下の通り。
- 日本にいる間は外国語習得に対して子どものモチベーションがまだない
- 子どもが日本にいると、周囲の環境や日常生活の中で英語を使う機会が少なく、外国語への関心が薄れがちです。そのため、英会話スクールでの学習が単なる義務に感じられ、積極的に取り組む姿勢に欠けることがあります。子ども自身が英語の必要性や楽しさを感じない限り、習得は難しいです。
- 子どもが日本にいると、周囲の環境や日常生活の中で英語を使う機会が少なく、外国語への関心が薄れがちです。そのため、英会話スクールでの学習が単なる義務に感じられ、積極的に取り組む姿勢に欠けることがあります。子ども自身が英語の必要性や楽しさを感じない限り、習得は難しいです。
- 数ヶ月では結局、語学習得はできない
- 語学は継続的な学習と実践が必要です。数ヶ月間、それも週に1時間〜数時間程度のレッスンだけでは、基礎的な表現や単語を覚えることはできても、実際のコミュニケーション能力を高めるには不十分です。とくに言語は使わなければ忘れてしまうため、短期間のレッスンでは実際の会話能力が育まれないことが多いです。それによって英語は難しい、大変といった先入観を持ってしまうのもマイナスです。
- 語学は継続的な学習と実践が必要です。数ヶ月間、それも週に1時間〜数時間程度のレッスンだけでは、基礎的な表現や単語を覚えることはできても、実際のコミュニケーション能力を高めるには不十分です。とくに言語は使わなければ忘れてしまうため、短期間のレッスンでは実際の会話能力が育まれないことが多いです。それによって英語は難しい、大変といった先入観を持ってしまうのもマイナスです。
- 海外に引っ越したら、いずれ覚える
- 海外赴任後、実際に英語を使う環境に身を置くことで、子どもは自然に言語を学びます。現地の学校や日常生活の中で英語を使うことで、リアルなコミュニケーションが必要になり、言語習得が促進されるため、わざわざ日本で焦って事前に英会話を学ぶ必要はないと考えています。実際の体験を通じて学ぶことが、より深く、効果的な学習につながります。
私も1度目の赴任前には、実際に大手の英会話教室に数ヶ月、行ってみました。
だけど結局、頭に残った英語は少なく、現地でほとんど役に立ちませんでした……。
語学習得が目的であれば、数十万円払って通うほどの意味はないとわかりました。
【初めての海外赴任】子どもの英語のために事前準備でできる4つのこと
英語のために事前準備としては、以下のものが有効だと、私は考えています。
自然と英語に触れる環境を作ってあげる
- 絵本や童謡
英語の絵本や童謡などを日常的に取り入れることで、楽しみながら英語に触れる機会を増やします。
我が家ではABCソングなど子ども用の英語の歌のCDを、家や車の中で垂れ流しにしていました。 - アニメや映画
英語のアニメや映画を視聴することで、リスニング力を自然に鍛えることができます。
我が家ではYouTubeの言語設定を英語に変えることで英語の動画しか見られないように工夫しています。
詳細は以下の関連記事にて解説しています。
語学アプリやオンラインリソースを活用する
- 英語学習アプリ
子ども向けの英語学習アプリを使うことで、ゲーム感覚で楽しみながら学習できます。
詳細はこちらも上の関連記事にてご紹介しています。 - オンラインレッスン
英会話スクールはオススメしないと前述しましたが、自宅で受けられる英会話レッスンは、ちょっと英会話を体験してみたいというお子さんには便利だと思います。
英語力の習得までは期待できないものの、わざわざ通う必要がない分、ネイティブの英語に触れる上ではハードルが低いです。
文化への理解を深めておく
赴任する先の国の文化や習慣について学ぶことで、現地への興味を持たせることができます。
料理や祝日について話すのも良い方法です。
ガイドブックも役に立ちますよ。
我が家の夫は、Google Mapの「ストリートビュー」を使って、現地の様子を娘に見せながら、いろいろな場所や文化の説明をしていました。
これも面白い方法だと思います!
実際の渡航が近づいたら ”サバイバルイングリッシュの習得”
日常生活で使う基本的なフレーズや表現を覚えさせます。
これは子どもが現地の環境に飛び込んで、生き抜くために最低限、必要な言葉です。
非英語圏であれば、その土地の言葉でちゃんと教えてあげてください。
我が家で最初に教えるのは、「水を飲みたい」と「トイレに行きたい」。
少し慣れてきたら「これが欲しい」とか「一緒に遊ぼう」。
これらも子どもにとっては大切なサバイバルイングリッシュです。
海外赴任前にお子さんにプレゼントするとよいかもしれませんね。
以上のような語学の事前準備を通じて、子どもは英語に対して前向きな姿勢を持ち、将来的な学びにつながげていくことができるでしょう。
サバイバルイングリッシュを学ぶことで、実践的なコミュニケーション能力も身につけられます。
まとめ
海外赴任前に、子どもの英語力を効果させるための事前準備はある程度必要です。
ただ、高いお金や時間をかけて英会話スクールに通うことにはあまり意味がなく、代わりに、自然と英語力を育てるための環境作りや、現地の文化理解を深めてあげることのほうが大切だと私は考えています。
これにより、子どもが抵抗感少なくスムーズに、現地での生活に臨めるようになります。
そして家族全員で支え合いながら、現地での新生活を楽しむことが、何よりの成長につながるでしょう。
お子さんが新しい言語と文化を学ぶ過程を通じて、一緒に成長できる素晴らしい機会になるとよいですね。